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アトリエみかん箱 記録日誌

「静岡の高速バス倉庫」の中の人が記す色んな話。


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ボーカロイドオペラ「葵上」を見に行ってきた。

 静岡駅から<del datetime="2014-11-30T00:38:00+09:00">快速電車</del>こだま号で約15分で掛川駅に到着。会場は掛川城のすぐ隣にある「大日本報徳社大講堂」と言う場所でして。存在は知っていたのですが、初めて足を運ぶ程度に意識が低いわけなのですが、実際に行ってみると・・・

 どっかのお寺?と言う感じの佇まい。到着が開演10分前切ってたので空いてる座席に何とか座ってと言うことで。ちなみに会場内はこんな感じでした。(休憩時間中に撮影)

 いや、マジで凄いんですけど。
 いや、凄いのは建物の佇まいだけではありません。今回見に行ったボーカロイドオペラ「葵上」は、演者が人間ではなくて「文楽人形」と言うことで、一番最初にあったコンセプト説明では「人間ではないモノが人間の喜怒哀楽を表現する」ものがありました。で、歌うのも人間では無くボーカロイド
 映画(とここでは書いておきます)の上演の前には掛川市長(!)の挨拶や、プロデューサーさん・音楽担当さん・文楽人形遣いさんの解説があった後で(人形遣いさんの解説が凄く上手だった!)、その作品を見ると言う流れになっていました。

 で、会場の音響は5.1chと言うことでトンデモナイ臨場感、「音がグルグル飛んでくる」と言う言葉がまさに適切かと思う所。で、そんな音響を聴きながら映像を見るわけですが・・・いや、30分と言う時間が「え?そんなに短いの?」と言う感じでした。(ストーリーとかについては、おいらの拙い記述では正直アレなのでこちら参照。)
 感想は、近くで上演があったら「ボカロ?何じゃそれ?」とか「文楽?何か大阪市で揉めてるアレか」と言うような先入観を持たずに見に行って頂きたいと言うところと、機会があったら京阪神昼特急静岡号に乗って大阪まで文楽見に行ってみたい、と言うところでお察しください。

***
 とまぁ、話としてはこんな所ではあるのですが、「掛川」と言う所、それも「大日本報徳社大講堂」と言う場所で上演したことに大きな意義がある、と私は思っています。

 そもそも「大日本報徳社」って何よ?と言う話になってしまうのですが、端的に言えば二宮金次郎の教えを継いだ「道徳と経済が一体となった運動を進める団体」って言うように考えて頂ければと思うのです。

<blockquote>報徳運動とは、道徳と経済が一体となった報徳活動を実行することによって、お互いの人生が豊かで安定したものにすると共にみんなが機器と明るく平和に生活できる社会を作ることを目標としたものです。
 報徳社は、報徳を信条とする同志の団体で、社員みんなの協力で実現し、さらにその行動を広く社会一般に及ぼしてゆこうとする組織です。
大日本報徳社Web Pageより(11/29確認)</blockquote>

 オフィシャルな案内は上のリンクを見ていただくとして、この運動の基本思想である「勤労」「分度」「推譲」と言う考え方は、この掛川の地を中心にして静岡県西部から全国に広まっていきました。
 この運動の単位は「講」と言うものでありましたが、その「講」と言うネットワークの中で「資産金貸附所」と言う組織が誕生したり(その後身が現在の掛川信用金庫であり、日本で一番最初にできた信用金庫です)、その一部の流れが静岡銀行にもなると言う、「静岡県西部地区における産業ネットワークの拠点」の母体にもなりました。
 また、「講」の中で流れる様々な情報(主に農業関係の情報であったり、軽工業関係の情報でした)が地域に流れると同時に「勤労」「分度」「推譲」と言う思想が地域内に広まり、静岡県西部地区におけるソーシャルキャピタルを形成した、と言っても過言ではありません。明治期に入ってから静岡県西部地区では様々な工業が興りましたが、その根底にあったのはこの大日本報徳社の考え方である「報徳思想」となっています。

 ボーカロイドの技術を創りだしたヤマハと言う会社も、創業者こそは和歌山藩の一人の天文技師ではありましたが、そのバックグランドにある「報徳思想」の影響を多分に受けているのではないかと思います(具体的にどこが、と言われると正直うーん、と思う部分はありますが)。

 ちょっと極端かつロジカルな言い方ではありませんが、今日の【ボーカロイドオペラ「葵上」掛川公演】の意義を自分なりにまとめてみると、こうなるのかなと思います。

<blockquote><span class="deco" style="font-weight:bold;font-size:large;">遠州の歴史的ソーシャルキャピタルの上に成り立ったボーカロイドと言う【技術】が、ネットワークと言う新しいソーシャルキャピタルを纏い、遠州の地に帰ってきた。</span></blockquote>

 掛川でやるよー、と言う話を知った時に「これはトンデモナイ話だ」と思ったのは言う間でもありませんでした。そして、清水の自宅に帰ってきて再度考え直すと「非常にトンデモナイ場面に立ち会ったんだ」と言う事で震えが止まりません。
 そして、自分が活動しているこの「静岡県」と言う場所は、色々とまだ可能性が残っているのだなと言うことを、この県で中小企業支援を生業としている人間として改めて感じました。

 今日の公演を準備していただいた皆様にネットの極北から小声ではありますが感謝をさせて頂きながら、このエントリを終わらせて頂きます。